4. CAPABLE 誕生

二度目の転機

退任してからは家族を連れて海外旅行へ。旅行の目的には、かつてお世話になった得意先企業のトップに対する御礼の挨拶も兼ねていました。そこでは、思い出話に花が咲くかと思いきや、なんとか高品質の日本製金型を短期で調達できないのかという、深刻な相談でした。
やがて、趣味三昧の生活に飽きを感じ始めた頃、経営セミナー講師を引き受けました。転機が訪れたのは、首都圏の金型企業を対象としたセミナーの講師を務めたときです。回を重ねるごとに減る参加者が気になり、セミナー後の飲み会で受講者である社長たちの話を聞くと、得意先の海外移転等で仕事量急減に苦しむ中小金型企業の実態が浮き彫りに…。そして、元商社マンで金型を取り扱う上場企業のトップを務めた私に対して、講義よりも受注が欲しいと、率直な意見が寄せられました。
このとき、私の頭の中にはビジネスモデルが完成しつつありました。そして行動に移すべく京都に戻ります。2003年に京都に来たとき創業者は社宅を用意してくれていましたが、社長就任を機に社宅を出るべきと考えマンションを購入していました。その後、関東に戻る際に売却しようとしたら、家族から観光拠点として残すべきと言われて残していました。まさかその拠点で単身赴任生活が続くとは…(笑)。

CAPABLE 誕生

受注減に苦しむ国内中小金型企業と、品質に優れた日本製金型を求める海外のお客様を橋渡しするエンジニアリング会社。ファブレスに加えて、社屋は賃貸、海外出張はLCCというように固定費の圧縮に努めれば、シリコンサイクルを上手く乗り切れると考えました。そして、還暦を過ぎても日本社会にまだまだお役に立てるのではないかという熱い思いもあって、何人かの同志に構想を語りました。すると驚くほどの瞬く間に同志の輪が拡がり、2012年7月に株式会社CAPABLEが誕生しました。

自他ともに誇れる会社

Companies are proud of being appreciated by its loyalty and enthusiasm の頭文字をとったもので、「誠意と熱意で評価される事を誇りに思う会社」即ち「自他共に誇れる会社」という意味を込めています。
経営者も従業員も、その家族も含めて皆が誇りに思う会社を目指し、日本の優れた技術力の復活、協力パートナーの発展や雇用の拡大にも貢献していきたいと思っています。
CAPABLEの真ん中に位置するAは人に見立てて、オレンジ色の部分は、そこから広がる人と人をつなぐ輪をモチーフにしています。企業は人があってこそ。そんな思いが詰まっています。

みんなの会社

CAPABLEは同志とともに立ち上げた会社ですが、CAPABLEへの参画には条件をひとつ付けました。それは各自の懐事情に応じて自社の株式を持ってもらうことです。
ベンチャーは創業者に依存するケースが多いと思います。しかし、創業者が上場しても己の会社と勘違いして年老いてなお居座り続けると特権階級が形成されて、経営に歪みが出て危機に陥ります。CAPABLEはその名の示す通り有能な集団であるだけでなく、高い志、情熱や使命感を持ち、仕事や会社に誇りを持つ人々の集団にしたいと思っています。自社株式を持つことが、みんなの会社としての経営参画意識が高まると考え、お願いしました。すると嬉しい誤算もあり、家族や親戚、そして友人といった方々が当社ビジネスモデルに共感して出資してくれました。上場時にはキャピタルゲインを得て是非喜びを分かち合うつもりです。

飛躍の第一歩

2013年7月には、日本政策投資銀行キャピタルさんから出資して頂きました。設立1年でのアーリーステージでの出資は異例とお聞きしています。このことが日刊工業新聞の一面で大々的に報じられたことで当社の知名度が上がり、大変感謝しています。それまでにも製造を受託して頂ける全国のパートナーを探していましたが、もともと半導体封止金型はニッチな世界であるだけに金型・金属加工業界では無名な存在でした。今では、当社をわざわざ訪ねてきて頂いたり、経済産業省や地方自治体、日本金型工業会や大学教授の方々からもご支援やご協力頂ける機会も増えました。

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